フューチャーの新人研修を通じて研修リーダーが感じたこと。今後のキャリアの変化に迫る
こんにちは。教育チームの赤坂優太です。
今回はちょっと違う視点で、「現役コンサルタントでありながら、一時期だけ現場を離れて研修リーダーをやり、そして新人研修が終わればコンサルタントとして現場に戻っていく」という意味での研修リーダーに着目してみました。
新人と接するなかで、研修リーダー自身のなかにどんな変化が起きたのでしょうか。
研修の中身や、新人と研修リーダーのあいだのやり取りなどの「フューチャーの新人研修ってこんな感じなんだ」という話は以下の記事もご覧ください。
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フューチャーでしかできない仕事「研修リーダー」
ーー もともと研修リーダーっていう仕事に興味はありましたか?
蒲田:私はもともと人間嫌いで
一同:(爆笑)
蒲田:新人がこれ読んだらショック受けちゃうかな。でも、いつも言っているからいいか(笑)
屋宜:うん、みんな察しているから大丈夫(笑)
蒲田:年下の人との接し方に戸惑うというか。だけど、いずれは年下だけのチームを作らなきゃいけない。そういうときに向けて、相手の立場を考えながら接するようにやってみようと。
ーー 研修リーダーはいつ決まりましたか?
蒲田:研修開始の3週間くらい前だったかな。元々決まっていた方が、仕事で難しいとなってしまったようで。急遽だったのですが、プロジェクトも快く送り出してくれ、「やりたい」と思っていたので引き受けました。
屋宜:私の場合は、2019年7月から研修リーダーを務めているのですが、2018年12月くらいに話をもらいました。当時のプロジェクトの節目が近づき、次に向けた話を上司と面談でしていたんです。その中でやりたいことのひとつとして、研修リーダーも興味はある、くらいな感じで言いました。そうしたら次の週にはバーっと話しが進んでいて、ほぼ決定(笑)
蒲田:研修リーダーは誰かから「やってみない?」って聞かれたの?
屋宜:いやいや、自分から言ったよ。育成に特別興味があったわけではないけど、何か全社的なことをやりたくて。フューチャーでしかできないことをしたいな、というのもありました。
蒲田:私もこの話をもらったときに「断ったらもう一生こないオファーだな」と思いました。
新人も研修リーダーも七転び八起き
ーー 新人研修が始まってから、戸惑いはありましたか?
蒲田:新人が一番初めに出すメールがとにかく衝撃的で。入社して数日後に、事業を統括しているリーダーへ挨拶と面談依頼のメールを出します。それが「あ、こんなレベルなんだ!」ってスタートラインを理解しました。
屋宜:1週目で「こんなことが起きるのか」を感じて、「じゃあ、次はこうしようか」と考えているあいだに、また別のことで転んでいるんです。なので、元々考えていた「次はこうしよう」の前に、「まずは起き上がろうか」というアドバイスをする(笑)
1週目は研修リーダーもテンション高くて、「こういうことを伝えたい!」って突っ込んでいくんですよ。だけど、実際の新人はその更に手前で転んでいるので、肩透かしを食らいました。
蒲田:初日から、周囲からはどう見えるかを全体に向けてフィードバックします。そうすると、2週目には変わる人と変わらない人に分かれてくるんです。1回言えば次から自分でできるようになる人と、伝わってない人、できない人というのが出てきます。そこからも「みんなが自分と同じではなく、色々な人がいる」と理解します。伝わると思って言ったことが、伝わらないんだという経験なんですよね。
屋宜:3週目には隔週の1on1が始まるので、ひとりひとりの個性が見えてきます。それにあわせて1on1で「こういうふうに見えますよ」というのを伝える。
研修に対するその人の想いを聞くと、さらに違いが見えてくる。
蒲田:研修後半のペアワークが始まると、一気に私たちとの密度が濃くなってきます。ペアワークは前半のソロワークと違って、上司である研修リーダーとコミュニケーションを取りながら進めるという、実際の仕事と同じことをします。「完全成果型」の色合いが更に強まるので、話す内容もより実務的なことが増えます。
仕事を進めるためのコミュニケーションなので、時には厳しいことも言います。それは初日からずっと密にコミュニケーションを取り続けて、信頼関係をつくりあげているからこそ、できるのだと思います。
研修中の密なコミュニケーションがその後も良好な関係に。プライベートで集まることも。
屋宜:最初は自由にやればいいと思っていました。自分が経験したフューチャーのやり方を、そのまま伝えれば、わかる人にはわかるだろうと思っていました。だけど新人研修では、その考え方はちょっと違っていて。
蒲田:新人ひとりひとりにあわせて伝えないと、伝わらない。信頼関係もあるし、やっぱりタイミングもあって。1週目から色々言っても新人は吸収できないように、相手によって、内容によって、どんなときに伝えるかでも変わってきます。
屋宜:その時々で新人に伝えることは、自分が今まで仕事で大切にしてきた考え方です。そういう意味では、研修リーダーが始まるときに新人に伝えたいと思っていたこととそんなに違いはないんですね。でも、その想いを、新人にちゃんと伝えるためには、研修リーダー側が色々なことを考えないといけないと学びました。
研修リーダーをやったから見えたキャリア
ーー 最後にこれから現場に戻るにあたり、研修前後でどのような変化があると思いますか?
蒲田:自分の見せ方が変わるだろうなっていうのは感じます。以前は、良くも悪くも全力でした。例えば、否定するときに全力で否定してしまう良くない過激さがあったなと思うんですね。沢山の新人と接する中で、なんでもかんでも100%でぶつかれば伝わるわけではないとわかりました。相手にあわせて、その人に伝わる伝え方をすることは現場に戻っても、意識したいですね。
屋宜:「研修リーダーが新人を見ている」と思いきや、逆に「新人に見られている」と強く感じましたね。現場に戻っても下から見られていることは意識すると思います。
以前は、若さによるパワーを評価してもらうことが多かったです。一方で「うまく使わないと、意図せず誰かを傷つけることもあるかもよ」って言われていて。研修リーダーをやったことでその意味が分かりました。仕事は「完全成果型」ではあるけど。そこに至るまでの自分の立ち居振る舞いや相手からの見え方という過程まで意識することが大事だと思うようになりました。
蒲田:新人は研修リーダーに対して距離を感じていることにも気づきました。「6年上の先輩って、新人からすると、もう社長と同じくらいの距離感なのかもよ」と、赤坂さんが以前話していた通り、私たちのことをものすごく遠い人、完璧な人として捉えていることを新人からもらったフィードバックなどから感じました。
屋宜:こちらの何気ない言動が及ぼす影響の大きさは感じましたね。自分が忘れているような些細なアドバイスを、しばらくしてから「実践しています」と言われたこともありました。影響力の大きさはポジティブにもネガティブにも働きます。何気ない言葉が、新人にとってプレッシャーになったり、正直傷つけてしまったこともあったと思います。
そういえば、自分が新人研修中に赤坂さんにレビューを依頼したらボコボコにされて。いつまでに直すか聞かれたときに、とりあえず「明日です」って言ったら、「なんで今日できないことが明日になったらできるようになるの?」って返されて(笑)
ーー …そんなこと言ったかな(笑)些細なことも言われた側は覚えているということですね。
屋宜:確かに言いましたよ(笑)その時に理由を聞かれて「ないです」と答えたら「言ったことは約束なんだから、根拠のない約束はしちゃいけないよ。ちゃんと考えて、できる約束をしよう。」と言われて、赤坂さんすごいとなりました。この話を新人にすると新人たちは笑うんですよ。だけど、「いやいや、今の君たちも同じだからね」って。
一同:(笑)
蒲田:今後のキャリアを考えるうえで、研修リーダーの経験は大きいですね
。今までも現場での経験をふまえて、ソースコードの書き方を自分の言葉で新人に伝えることはできます。だけど、そのソースコードは何のために書いていたのか、お客様へどのような価値があるか、ということを新人にうまく伝えられないことがありました。
今まで、プロジェクトの推進はしてきましたが、大義まで言語化できていなかったと気づき、後悔というか、心残りがあります。今後はそういう視座をもって目の前の仕事を捉えて、自分から視座を上げていかないとなと思います。
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現場で活躍しているコンサルタントが、研修リーダーに「なる」瞬間、そして「なっていく」過程を、感じてもらえたでしょうか。新人研修は新人のためのものですが、その新人をサポートする研修リーダー自身も、ものすごく悩んで、結果としてものすごく成長しています。
研修リーダーは、新人研修が終わればITコンサルタントとして現場に「戻って」いきます。現場に戻る研修リーダーにもプロジェクトで更なる活躍をして、素敵なキャリアを築いてほしいと思います。
最後は研修リーダーインタビューの番外編として、新人研修をデザインしている側から、「どんなことを狙ったカリキュラムなのか」「その裏に隠れた人材育成の理論とは」という種明かしをお送りします。
フューチャーの新人研修やキャリアについては採用HPもご覧ください。