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PROJECT STORY|Project1:敷島製パン様【インタビューアーカイブ】

顧客のビジネスの未来図を描き、最先端の技術で具現化する。
フューチャーが持つ付加価値を
プロジェクトをとおして紹介します。

宮地 泰彦(MIYAJI Yasuhiko)
2002年新卒入社

プロジェクトの背景と概要
敷島製パン株式会社(以下敷島製パン)は食パン市場シェアNo.1の大ヒット製品「超熟」をはじめ、Pascoブランドのパンや和洋菓子の製造・販売事業を展開。300社を超えるお客様と取引をし、全国のスーパーやコンビニエンスストア、街のパン屋さんに至るまで約60,000店舗に日々製品を作り、届けている。2020年に創業100周年を迎えるにあたり、売上重視から利益重視の経営への変革を果たすべく、2011年より5年にわたり全社的な業務改革を敢行。フューチャーは改革を支援するパートナーとして、経営・業務・ITを一体に捉え、全体の構想段階からプロジェクトに参画した。両社は一丸となってプロジェクトを推進し、ゼロベースでの業務の最適化・簡素化を図り、新しいテクノロジーをベースとした、シンプルで柔軟性と拡張性に優れた次期システム『Smart Pasco System』を稼働させた。

全社業務改革にチャレンジし、さらなる成長を目指す

旧基幹システムは、40年以上使い続けたことでサブシステムが乱立して複雑にからみ合い、また構成する機器や技術も陳腐化していた。システムを使い出した頃は少品種大量生産の時代。しかし、いまや各社個別のプライベートブランド製品に代表される多品種短サイクル生産が求められ、取引先企業の統廃合や店舗の急増にもスピーディーに対応する必要もある。また、ビジネスを成長させるために何か新しい取り組みも展開したい。ところがいずれも既存のシステムでは対応しきれず、大きな足かせとなっていた。

リーダー陣のひとりとしてプロジェクトを牽引した宮地泰彦はプロジェクトの概要をこう話す。

「このプロジェクトは営業から製造、販売、物流、さらには人事や財務といったバックオフィス業務に至るまでの全業務を改革するものでした。目的は大きく分けてふたつあり、①売上重視の経営から利益重視の経営に変革を果たす、②小売業の変化や多様化する消費傾向に柔軟に対応する、というものです。それに沿って、営業と製造の部門ごとに管理されていた目標数値をシンプルに一体化する、実績値に基づく統計・分析情報などを用いて需要予測を算出し、より最適化された生産計画を立てる、お客様やエリアごとにバラバラだった業務を標準化するなど、様々な施策を打つこととなりました」

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お客様の未来のために絶対に成し遂げる

顧客社内には専属の部署「業務改革部」が創設され、いよいよプロジェクトがスタートした。当初は順調に進んでいたが、“全業務を改革する”などということが容易に成し遂げられるはずもない。実際に現場で業務を担当する部署との打ち合わせは徐々に難航するようになる。他に先行して進んだ「販売計画」チームを率いた宮地は、その影響を大きく受けることとなった。

「新しいチャレンジですので、誰も明確な正解を持っているわけではありません。幾度となく打ち合わせを重ねましたが、経営陣の要望と現場の意見は必ずしも同じではありませんし、部署間はもとより部署内の調整も、それぞれの考えがあり一筋縄ではいきません。何が正しく、誰が“これでいい、進むぞ”という最終判断をするのか。新しい業務の要件を確定し、合意を形成することに非常に時間を要しました。」

宮地たちは課題一つひとつに真摯に向き合って緻密に潰しこみ、業務・システム双方の品質を磨き上げ、システムのリリースにこぎつけた。

こうしてひとつの山を登り切った宮地だったが、その先にはさらに高い山がそびえていた。「物流」のシステムを担当するチームの立て直しである。

両社一丸で取り組み、5年間の集大成を手に

「物流チームが苦戦していたのは、お客様の業務のなかで最後の行程が物流だからです。他のチームで生じた変更の影響が重なり、システムの目的や必要な機能、達成すべき性能などが変わり、根本から見直さなければいけない状況でした」

宮地は複雑に絡み合った糸を整理した結果、スケジュールから組み立て直すべきという結論に至った。

「スケジュールの変更はプロジェクト全体に大きな影響を及ぼす重大な決断です。しかし、このシステムの品質に責任を持ち、お客様に成功を提供するためにはどうしても必要だと判断しました。まずは社内で経営陣に対して根拠となる事実を提示しながら説得し新しい方針を決定。続いて、お客様にも粘り強く説明し『それならば』と納得していただきました。この方針が決まるまでの間も、いまできることを切り分け、メンバーに進めるよう指示しました。プロジェクト全体への影響を最小限にするためです。私を信じ、成功に向けて必死に取り組んでくれた彼らには本当に感謝しかありません」

新しい計画が策定され、プロジェクトは今一度、大きく動き出すことになる。フューチャーは当プロジェクトを社長直轄の最優先案件とし、ほかのプロジェクトに所属していたエース級の人材を投入するなど体制を大幅に強化。顧客側でも改革への大号令が再度発せられ、全社で想いをひとつにした。かくして両社が総力を挙げてプロジェクトに臨んでいく体制が整った。毎週開催されたトップ会談では真剣な議論からスピーディーな結論が導き出されるようになり、各チームはそれを受けて着実に推進していった。

「そこからのタスクは膨大で、やってもやってもなかなか終わらなくて本当に大変ではありましたが、非常に楽しく、濃密で充実した時間でした。自らの価値を発揮することがお客様の未来につながっている。ひとつのゴールに向かって、全員で確実に前に進んでいる。そう実感できましたから」

数えきれない苦難を乗り越え、新システム『Smart Pasco System』が稼働の時を迎えたのは2015年11月のこと。最大規模で200人強のメンバーを擁し、5年に渡ったプロジェクトの集大成である。現在システムは順調に動いており、今後新たなビジネスやサービスが生まれていくことが期待されている。

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輝かしい成果は未来に還元していく

フューチャーは毎年年末に「BPY(Best Project of the Year)」という全社イベントを開催している。これはその年最もフューチャーらしい、素晴らしいプロジェクトを全社員の投票で選び、称えるというもの。社員にとって自分が参加したプロジェクトがBPYで優勝を勝ち取ることは最高の栄誉だ。

無事プロジェクトを完遂した直後の宮地は、プロジェクト責任者やメンバーとともに壇上でプレゼンテーションを行ったのだが、その最中、あふれる想いをおさえきれず涙した。

「つらかったことを思い出して泣き出したメンバーを見て私もつい…。5年間を振り返って、簡単なことは何ひとつありませんでしたが、くじけずに乗り越えてくれた仲間たちが誇らしかったですし、プロジェクトを支えてくれた社内のさまざまな方々への感謝で胸がいっぱいになりました」

彼らの輝かしい成果に会場では惜しみない拍手が贈られた。表彰式ではグランプリに選ばれたのみならず各賞を総なめにしたのは言うまでもない。

「非常に難易度の高い案件でしたがそれだけに得たものも大きい。私を含め参画したメンバー一人ひとりが得難い経験を手にしました。ノウハウとして社内に還元したり、たくましく成長したメンバーが次のプロジェクトで活躍したりと、フューチャーの未来に貢献していければと思います」

Strong Point

全社業務をゼロベースで見直し、すべての業務をシンプルに再定義するとともに、経営上の意思決定のスピードを向上させ、社会情勢や消費傾向の変化に柔軟に対応できるようなビジネスプロセスを実現。システム面では、世界標準であるオープンテクノロジーをベースに、フューチャー開発の独自技術も駆使したしくみの構築にチャレンジ。既存システムを撤廃し、新システムへの全面刷新を成功させた。

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本記事は2016年に実施した採用HPインタビューのアーカイブ記事です。
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