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ゼロベースで地方銀行システムの変革~「世直し」に懸ける想い~

はじめまして、フューチャーアーキテクト金融事業部の小松高子です。私は2019年1月にフューチャーに転職しました。

新しい時代の地方銀行の業務・サービスを実現するため、『次世代バンキングシステム』プロジェクトを担当しています。転職のきっかけ、プロジェクトを立ち上げた経緯やリーダーとして描く未来についてお伝えします。

運命的なフューチャーとの出会いと転職の経緯

前職では20年以上メガバンクの勘定系システムを担当しました。その中で30年以上前に構築されたレガシーな口座振替システムをオープン技術を用いて、ゼロベースで再構築した経験もあります。今でこそミッションクリティカルなシステムでもオープン技術を採用することがあたりまえになっていますが、当時は、性能や監視機能、障害時のリカバリー機能などを考慮するとオープン技術で行うにはかなりチャレンジングな課題が山積でした。しかし、システムの運用に要するコストや業務の変化に柔軟に拡張できるかどうか、そして何より将来の成長を見据えて、諦めずに最後まで取り組み、実現することができました。その後、同様にいくつかの勘定系業務システムも刷新しており、紙の帳票をオンライン照会に変えたり、承認プロセスをシステムでのワークフロー化したりと、ペーパレス化による業務改革を実現しました。

フューチャーとの出会いは2014年、クレジットカード統合プロジェクトを担当することになった時です。一緒に仕事をする中で、システムの考え方や推奨するアーキテクチャ、目指すべき方向が私と同じであり、鳥肌がたったことを昨日のことのように覚えています。

その後も継続的に情報交換をしている中で、地方銀行の取り組みについて話を聞く機会がありました。その際に「地方を元気にするために地方銀行のシステムを刷新するプロジェクトに取り組んでおり、勘定系の知見があるメンバーを探している」と聞いてぜひ参画したいと思いました。

インターネットのない時代に構築された銀行の勘定系システムは『安心、安全、安定』を担保しつつ、さまざまな機能を継ぎ足しした結果、プログラムは複雑になり実行スピードが上がらない状態になっています。今後の地方銀行のシステムのあるべき姿として、オープンな技術でシンプル・コンパクトにしていく必要があるという私の想いはフューチャーと合致しており、「この会社で自分の経験を役立てたい」と考え、転職を決めました。

地方の未来を担う次世代バンキングシステムプロジェクトとは

現在、フューチャーでは、新しい時代の地方銀行の業務・サービスを実現するため、『次世代バンキングシステム』プロジェクトを立ち上げ、私はそのリーダーを担っています。

フューチャー入社後、複数の地方銀行に訪問し、勘定系システムを拝見しましたが、予想通りメガバンクのシステム同様に30年前とほぼ変わっていないことに愕然としました。銀行の経営層の方々は、コスト面やサービス追加のスピード、拡張性などシステムに関するさまざまな問題意識をお持ちでした。さらに今後の人口減少や高齢化地域の社会課題もふまえて、地方銀行の経営そのものと地方の未来への危機意識も強く感じました。

地域の中小企業が成長していくにはDX化が必要であり、地方銀行が担う役割は決して小さくありません。資金面での融資以外にもIT企業の紹介やコンサルティング等各種サポートを行っています。但し、時間は十分に割けておらず、事務作業に掛ける時間がネックになっています。今後、地方企業を支える為の本質的な業務にリソースを振り向けていくためには、事務の自動化が欠かせず、そのベースとして銀行システムをシンプルでコンパクトにしなければなりません。加えて、地域の企業やお客様を含めたデジタル化を推進するために、銀行・企業・お客様をスムーズにつなげていく必要があります。現状の銀行では、対面での決済業務に多くの人的リソースが割かれています。決済業務を非対面で行えるようにすることで、資産運用を始めとしたお客様との相談や対話の時間に人的リソースをシフトしていくことを目指し、そのためのシステムを構築しています。銀行業務の法的順守はもちろんのこと、現場の業務運用のあるべき姿をふまえて銀行とのセッションを行い、新しい業務仕様を定義しています。この業務仕様をシステム設計に変換し、実装につなげます。実装においては設計書からの自動生成が基本であり、効率的に高い品質を確保できる取り組みを行っています。

これが今後の地方の未来改革、ひいては日本全体の世直しにつながる一歩であると信じ、業務に取り組んでいます。

このプロジェクトにかける私の想い

フューチャーで仕事をする上で、実は予想していなかったところで自分の中で変化がありました。長年金融システムに関わっていたこともあり、「これまでの自分の経験の範囲で支援ができればよい」という気持ちで入社をしたのですが、フューチャーの若手社員の自律心や向上心に触れることで、今は「このメンバーとともに、自分が責任を持ってシステムをリリースする」と強く思うようになりました。まだまだ私自身も変わり続けられるということに気付かされ、日々貪欲に学び成長していることを実感しています。

銀行の決済業務に『安心・安全・安定』は依然として最重要事項です。それをふまえて私たちは最新のIT技術を用いて『次世代バンキングシステム』を創り上げる必要があります。創り上げた先には銀行と一緒に地域創生を実現した未来があり、この世直しこそが私自身の社会人人生の集大成だと思っています。

フューチャーと一緒に世直しの一役を担いたいと思われた方、皆さんの挑戦をお待ちしています!



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