3年後の将来像なんていらない⁉自分の価値観に向き合い続けて得られたキャリアの考え方
2021年4月に新卒入社した午來義顕(ゴライ ヨシアキ)です。フューチャーでITコンサルティングを経験し、早3年が経過しました。社会にでるまでは大学の講義でプログラミングに触れた程度でITについてはほぼ未経験であり、作曲活動やゲームに全てを捧げるバンドマン兼ゲーマーでした。そんな私がどのような選択をして今に至り、更に趣味を大切にしながらも仕事と向き合っているのかについて触れていきます。主にこれから社会人になる方や全く新しい仕事に挑戦しようとされている方にとって私の経験が少しでも参考になればと思います。
1.音楽とゲームに没頭していた私の就職活動
私は大学時代に物理学や哲学といった領域を好んで履修しており、大学以前もITの領域に興味を持つことはなく、入社前はほぼIT未経験でした。そんな私が学問以外にこれまでの人生を賭けて熱中していたものは、音楽とゲームです。吹奏楽部で全国大会に出場したり、オリジナル楽曲を作成してライブや楽曲配信をしたり、そのいとまには様々な有名RPGや某大人気バトルロワイヤルFPSのゲームに没頭したりと、それらが私の人生の生き甲斐であり、本気であり、将来もそうして生きていくつもりでした。
ただ、実際にそれらの領域を活かした職への就活を進めるうちに、自立して安定に生きるのは難しいことが現実味を帯びていきました。
その時に感じたのが、これから先の未来で安定して生きていくための術を習得しつつ、これまでと同じように新たな領域に挑戦できる業界で働きたいということです。そんな期待、覚悟とちょっとした不安の果てにたどり着いたのが、フューチャーでした。昔から音楽をゼロから作るなどモノづくりが好きで、企画だけではなくつくることもできる人が最強だと思っていたので、ITコンサルティングにプログラミング、どちらも身に付けることができるフューチャーに入社を決めました。「これまでの自分」と「これからの自分」、どちらも併存させて生きていく覚悟は決めた、つもりでいたのですが…。
2.入社式で戦慄した話と新人研修
入社後は、「これからの自分」を心機一転育てていくために、基礎作りとして約3ヶ月間の新人研修に勤しみました。入社式で私が特に印象深く覚えている、戦慄した話があります。それは、「入社したばかりでまだ何も成果を出すことができない新入社員に対しても、その後の活躍に対して期待があるから会社はお金と時間を割いて新人研修を提供している」という趣旨の話です。はじめて自分はまだ一円も利益を生み出していない事実を認識して、新たな環境に飛び込む覚悟だけでは不十分だったと感じました。これからビジネスの現場で価値を創出できるように成長し、自身の価値を高める必要があると、私の視座が高まった瞬間でした。
IT経験者も同期には多数いましたが、私のような未経験者でも萎縮することなく、むしろそのような同期にもあたたかく協力してもらいながら新人研修に取り組め、IT基礎のみならず、ビジネスの基本も習得することができました。当時も今もしばしば思うのですが、新人がお金を貰いながらもあれだけの充実した学びの機会をもらえるというのは改めてすごいことだなと思います。常日頃からフューチャーには優秀な社員が多いなと思っていますが、そのうち多数も最初はIT未経験だった訳であり、それはフューチャーの充実した新人研修の賜物だと思います。
3.ブラックボックス化していたキャリアパス
新人研修が終わると、希望していたアパレル系のプロジェクトにアサインされ、OJTが始まりました。このプロジェクトを希望した理由は、プライベートで興味を持っている業界であったからです。仕事のイメージができ、かつ、興味があるからこそプロジェクトで利益を生み出すぞと感じていた当時の高いモチベーションを維持できると考えました。OJTは約半年間ほど続き、OJTが終わる頃には流通・小売という業界のリアルやその中で顧客が抱える課題への理解が深まりました。また、その解決のために必要となるITスキルの基礎も習得することができました。
ここまでは「これからの自分」のスタートダッシュに成功したと感じていましたが、社会人2年目の業務を重ねたタイミングで自身の中の変化に気付きました。OJTを経て広くかつ一定の水準レベルでITの理解が深まってきたからこそ、「将来自分が重点的に身につけていきたいスキルとは何なのか」とブラックボックスとなっていた部分を考えるようになりました。ITに興味を持つきっかけを振り返り、自問自答することで、自分自身が実際に日常生活でユーザとして体験するフロントエンド領域に面白みを感じたことがきっかけであることに気づいたのです。
一方で私が所属していたアパレル系のプロジェクトではオムニチャネル戦略の実現を支援するためのプラットフォームを構築しており、私は、商品・在庫等の情報を一元管理するためのデータベースシステムの設計・開発・テスト業務(バックエンド業務)をメインで担当していました。バックエンドではなくフロントエンドの設計・開発に挑戦したいと思うようになったことをきっかけに、仕事に対するモチベーションに変化が生じます。自身のキャリアを改めて見つめ直したからこそ、実際の業務と将来やりたいことに乖離が生じ、仕事を前向きに推進できなくなっていきました。本来あってはならないことかと思うのですが、それにより生産性が悪くなり、「これからの自分」を裏で支えていた「これまでの自分」を大切にする時間も次第に消えていってしまうという悪循環に陥ります。
4.納得のいかない自分からの脱却
業務自体は楽しく、メンバーも優しく優秀な方ばかりでしたが、「これまでの自分」を守ってあげられない、「これからの自分」もようやく鮮明化してきたのに遠ざかっている、そもそも何で自分は今になってキャリアで悩んでいるんだ、そんな気持ちでいっぱいで自分のことがどんどん嫌いになり、受け止められなくなってしまいました。そのような局面で私の背中を押したのは、フューチャーの手を挙げればチャンスをつかむことができるというカルチャーでした。自分のためにも会社のためにも今ここで自分が変わるべきである、そう思い、当時のプロジェクト歴僅か1年程度で、思い切って私は上長に自分の気持ちを伝えプロジェクト異動の相談をしました。時期的にかなり強引であったにも関わらず、上長は私の想いを真摯に受け止め、結果として私は希望していたフロントエンドの設計・開発のできる医療系のプロジェクトにアサインされることとなりました。
異動後、興味があったUI・UXデザイン、アプリ開発領域でいちからSwiftを学習し、アサイン後半年程度で新規案件の設計全体から複数の主担当開発・テストまでやり遂げました。Swiftに本格的に触れてから僅か1週間でアプリの新規機能開発に主担当で着手したのは、今となってはいい思い出です。私の思いを理解し業務を振ってくれるリーダー陣には本当に感謝しています。
色々と業務の幅も広げているため多忙にも見えますが、不思議なことに負のスパイラルに陥っていた時期に比べて圧倒的に「これまでの自分」も大切にできるようになりました。結果として、自身で作詞・作曲・演奏・サウンドエンジニアリングした楽曲を各種サブスクで配信したり、冒頭で触れた某大人気バトルロワイヤルFPSのゲームで世界上位2%に到達したりと、自身で納得のいく「かっこいい自分」になることができました。仕事も趣味も挑戦を楽しめるようになったことで、相乗効果で互いへの妥協が無くなり、またモチベーションを相互維持できるようになったと感じています。IT未経験の新卒入社で、かつ他にも大切にしたい物事があっても、この相乗効果で困難を乗り越えた経験は今後の糧になる出来事でした。
5.キャリア形成に大切なのは過去と未来を見つめること
3年後の将来像、なんていう言い回しが世には存在しますが、本記事を執筆し、そんなものは決まりきっていなくても自分の考えるようなキャリアを築いていくことができるのではないかと思うようになりました。本質としては大切にしたい自分の中の価値観を見つめ続けることです。そのような挑戦の旅の過程で、新たに定まっていく未来もあると私は思っています。この記事が、今・現在・将来の不安を抱えている方の参考になり、気持ちが少しでも楽になれば良いなと思います。
また、仕事も趣味も、これまで頑張ってきたこともこれから挑戦したいことも、全て大切にしていきたいという人にも居場所や機会を与えてくれる、フューチャーはそんな風通しのいい会社だと思いますので、そんな欲張りなあなたの挑戦を是非お待ちしております。