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スタンフォード通信vol.2~シリコンバレーの続報とテクノロジー活用の変化

こんにちは。客員研究員としてスタンフォード大学に赴任中の西原です。

前回に続いてアメリカの近況について、お伝えしたいと思います。
※今回の内容は4/12に社内向けに送ったレポートです。

1.アメリカでのコロナウイルス対応

・CDC(米国疫病予防管理センター)の4/11時点発表では、全米での感染者492,416人(死亡者数18,559人)と、前回レポート(※3/27時点:感染者85,356人)から5.8倍の増加となります。一方、被害の最も大きいニューヨークでは、4/5に1日当たりの感染者・死亡者数が初めて減少となり、変化の兆しが見えてきました!
ただしまだピークは迎えておらず、ニュージャージーやミシガンといった他州での感染も拡大しており、4/5に政府は「大半のアメリカ人にとって人生で最も厳しく悲しい1週間となる」と発表しています。

・コロナの収束状況を予測するモデルは幾つかありますが、ワシントン大学IHME(保健指標評価研究所)のモデルを共有します。政府や医療関係者向けに作成されたもので、アメリカの各州政府や病院、WHOや各国からのデータを基にモデルが作成・更新されています。
 予測対象は、1日当たり・トータルの死亡者数、必要となるベッド・ICUベッド・人工呼吸器数です。各州によって傾向は異なりますが、アメリカ全体での第1波ピークは4/12と予測されています。

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(IHME https://covid19.healthdata.org/united-states-of-america)

・大型景気対策CARES Actの第1弾が、3,500億ドルの中小企業・個人事業主向け支援策(Paycheck protection Program)となります。申請が承認されれば、8週間分の人件費(+借入金利・賃料)を中心とした事業経費の融資、条件を満たせば返済不要というものです。

 3/28までの失業保険申請が過去最大の1,000万人という状況の中、CARES Act成立1週間後の4/3から申し込みが開始されました。申し込みが殺到したことで、金融機関の既存顧客が優先されることが問題となったり、一部の金融機関では申請システムが間に合わない、大量のデータを処理するために急遽クラウドにシステムを拡張等があったようです。この中小企業支援は、2,000億ドル規模を追加することが議会で議論されています。

・大量の失業保険申請の影響で、ニュージャージー州政府ではCOBOLエンジニアを募集しています。失業保険システムの処理量が通常の16倍となったことで遅延が発生し、システム改修が必要となりましたが、COBOLで構築されているとのこと。アメリカでも行政システムはレガシーのようです。

2.シリコンバレーの状況

・私が住んでいるベイエリア(シリコンバレー+サンフランシスコ)では、シェルター・イン・プレイスのルールが厳しくなり、期間も5/3まで延長されました。学校は年度末までの休校が決定し、アウトドアでのスポーツ全般が禁止、警察による見回りも強化されているようです。

・スーパーでは、ソーシャル・ディスタンスがより徹底され、入場制限や行列での6フィート(約1.8メートル)ルールに加えて、レジでの店員と客を仕切る板の設置やエコバッグの禁止が行われています。

・外出禁止4週目となりますが、最近になって施策の効果が出てきました!
感染者の増加速度が見込みより鈍化してきていますが、まだピークを迎えておらず(上記のIHME予測では4/15)、シェルター・イン・プレイスをどれだけ徹底できるかで今後の状況も変わってくるので、予断を許さない状況は続きます。

・シリコンバレーのあるサンタクララ郡では、感染者・死亡者数に加えて性別・年代別・人種別での比率、病床数や検査状況をダッシュボードで公開しています。

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(Santa Clara County PUBLIC HEALTH https://www.sccgov.org/sites/phd/DiseaseInformation/novel-coronavirus/Pages/dashboard.aspx)

・ソーシャル・ディスタンスの効果を可視化するために、データ分析スタートアップのUnacastが全米各地域でのスコアリングを公開しました。Googleも同様のアプローチでデータを公開していますが、こちらの方がメトリクスが多いです。スマートフォンのGPSデータ等を使って3つのメトリクス①移動量の変化、②必須でない場所(non-essential)での滞在時間の変化、③人との遭遇密度(ある時刻・場所での人の密度)を算出しています。

 4/11時点でのカリフォルニア州は、コロナ前の時期と比較して、①40-55%減少、②65-70%減少、③74-82%減少という結果となっています。

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(Unacast https://www.unacast.com/covid19/social-distancing-scoreboard)

3.ソーシャル・ディスタンスによるテクノロジー活用の変化

・ソーシャル・ディスタンスによって、SNSやNetflix等のストリーミングサービスの利用が増えていますが、使用するデバイスにどのような変化があったのか、New York Timesが興味深い記事を出しています。

 Facebook、Netflix、YouTubeへのアメリカ国内からのトラフィックをSimilarWeb、Apptopiaを使って調査したところ、モバイルアプリに比べて ウェブブラウザでのアクセスが急増しているようです。

 
◇コロナ前後でのトラフィック増減率

ウェブ&モバイル利用量

 ※Facebook、Netflixのトラフィック量はモバイルが多い

 ずっと家にいることで、スマートフォンよりもパソコンを使う人が大きく増加したと解釈できます。スマートフォンの登場で広まったモバイルの流れが、ソーシャル・ディスタンスによって変わり、人とテクノロジーの関係に影響を及ぼしたとも言えますね。

 この記事には他にも、Google DuoやHousepartyといったビデオチャットの利用増加や、各ニュースメディアでのトラフィック傾向等もレポートされています。

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(The New York Times https://www.nytimes.com/interactive/2020/04/07/technology/coronavirus-internet-use.html)

・大打撃を受けている旅行業界の中で、バリュエーションが半分強にまで下がったAirbnbですが、バーチャル体験サービスを開始しました。マジックショーや料理教室、プロのスポーツ選手が教える栄養講座やサイクリングツアーといったものです。
 私は元バックパッカーで旅行が好きなので、リアルで得られる体験価値を実感していますが、デジタルでしかできないこともあるはずで、今後こういった新しい価値創造にチャレンジする企業が増えていくのでは、と楽しみです。

・スポーツでは、NBAが新しい試みを始めました。NBA、ESPN、NBPAがNBAホース・チャレンジを開催します。選手がそれぞれ自宅のコートでシュートを行う形で、1対1のトーナメント形式で対戦し、その状況をTV放映するようです。
 先月中止となったF1がバーチャルレースを実施したように、今後eSportsが加速していくと思いますが、スポーツ大国アメリカではリアルのスポーツでも、こういったファンを楽しませながら、ビジネスとしても成立させる試みが増えていきそうです。

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台湾ではプロ野球が無観客試合で開幕されたようで、初戦が雨天中止となった楽天モンキーのロボット応援団の動画が公開されています⚾


今回は以上となりますが、また今後も現地のリアルな情報をお届けしていきます。日本も刻一刻と状況が変化していると思いますが、安全・健康第一でお過ごしください!

前回レポートはこちらから


西原さん


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