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ハンディキャップを抱えた私から紹介したいチーム運営の工夫

こんにちは、フューチャーSharedServiceCenter(以下、SSC)の芦崎美里です。2020年10月に立ち上げたSSCの初期メンバーとして参画しています。

以前、SSCリーダーの増元さんが執筆した記事にて「SSCメンバーの約半数が、聴覚障害などのハンディキャップのある社員」であることが紹介されましたが、私自身も生まれつき聴覚障害を抱えています。今回は障害を抱えた当事者である私から、実際にチームで取り組んでいる工夫をご紹介します。

障害者が働くうえでの悩み

私が所属するSSCは、社内の共通する業務を集約してサービスを提供・運営するチームです。業務を集約し、標準化・自動化・効率化することで、コスト削減や品質の向上につなげていくことをミッションとしています。メンバーの約半数がハンディキャップを抱えているため、一人ひとりが力を発揮してミッションを達成するためには、チーム運営の仕方がとても重要です。

しかし、私のような聴覚障害者によくあるケースとして、会議や研修の場に文字通訳がつかないことで会話の内容が把握できず、業務の理解度が十分でないといった悩みがあります。厚生労働省職業安定局がまとめた「障害者雇用の現状等」の資料にある通り、障害者の離職に繋がる大きな理由の1つにコミュニケーションの問題が挙げられています。また、聴覚障害に限らず、他の障害者も「上司や周りの理解がない」「悩みを相談しづらい」などのコミュニケーションの問題が発生していることがわかります。

出典:障害者雇用の現状等(平成29年9月 厚生労働省職業安定局)

一方、管理者側も、障害者の職場定着や活躍への取り組みを重要視しているものの、障害への理解が十分でないなどの理由で、能力を最大限発揮させることができていないという悩みを抱えています。両者の溝を少しでも埋めることは継続的な障害者雇用に関する双方の課題です。

制約なく働きやすい環境をつくるために

SSCでは、上述のような障害者が抱える悩みを解消するために、物理的にも時間的にも制約がなく働きやすい環境を目指しています。それを実現するための取組みをご紹介します。

聴覚障害者向けの配慮としては、入社時研修やイベントなどで、外部の手話・文字入力通訳を専門とした会社の文字入力通訳をつけています。そして、チーム内会議には、発音内容が文字起こしされる音声認識ツールを利用しています。音声認識ツールの精度は現状まだ100%とはいかないため、誤反映された文字をメンバーに訂正してもらうなどのフォローが欠かせません。このようにツールだけでなく人の力も借りてハイブリッドで運営しています。もちろん音声認識ツールは日々進化されているので、1つのツールにこだわらず新しいツールの情報を知った時には、チームメンバーに協力してもらい試験的に利用しています。

聴覚障害者が情報を得るためのフォロー体制があることで、聴覚障害を抱えていても、議論した結果だけでなく、その過程もリアルタイムで把握することができます。さらに全社イベントでは経営陣の考えを知ることで、フューチャーのカルチャーをより深く理解できることが、私としてはとても嬉しいです。

また、体調管理や通院などは十分に配慮しつつも、業務を属人化しないことでメンバーが休む場合もフォローできる体制にしています。例えば、共通テンプレートを活用して全てのタスクをマニュアル化したり、メイン担当とサブ担当を決めて状況によって担当を変更するなど柔軟に役割を調整したりしています。安心して休める環境や雰囲気作りができるよう、上長だけでなくチームの一人ひとりが意識しているため相互理解ができていると感じます。

一方、業務面では特別な配慮はしていません。障害が理由で業務の範囲が狭まるということはなく、やってみたいことがあれば積極的に挑戦し成長できるようフォローする環境が用意されています。チャレンジを歓迎するカルチャーが根付いているフューチャーだからこそ、できることかもしれません。

共に働くSSCメンバーの声

自分たちの環境をより良くする取り組みは、私だけでなくチームメンバー全員が当事者意識を持って取り組んでいます。今回、チームメンバーのみなさんにもSSCの良い点を聞いてみました。

  • コミュニケーションが円滑
    チームの定例会議で雑談タイムを設けていて、コミュニケーションが楽しく取れているため、業務の相談もしやすい。

  • 自ら学びチャレンジができる
    SSCの業務でRPA(Robotic Process Automation)による自動化を推進中。当初は社内の有識者の力を借りていたが、自分達でも勉強し開発を進めていて、未経験でも新しいことにチャレンジできている。

これらの意見は私も共感しています。上司や周りに理解があり、話しやすい環境があるからこそ、業務についての相談がしやすくなり、パフォーマンスが発揮できているとメンバーのみなさんも感じていました。手段を工夫することはもちろんですが、チームをよりよくしていきたいという考えがチーム全員の共通認識としてあるからこそ、障害の有無に関係なく、誰にとっても働きやすい環境を作れているのだと思います。

仕事に対する私の想い

従業員である私たちは給与をもらう立場ですが、それは業務で成果をあげることが前提です。だからこそ、普段の業務をしっかりこなし、会議でも自分の考えをしっかり述べるなど積極的に行動することで、信頼を得る必要があります。その信頼を積み重ねることで、障害に対しても理解をしてもらえて、会議への通訳導入など働きやすい環境改善に繋がっているのではないかと思います。

個人的な話になりますが、小さい頃から将来の夢を考える際、いつも障害を理由に選択肢から外していました。今もその癖が抜けず、障害を理由に自分自身で可能性を狭めてしまうことがあります。プライベートでは、一人でチケットを手配してブラジルのカーニバルに行くなど積極的な性格なのですが、仕事となるとどうしても障害を言い訳にして消極的になってしまいがちです。ですが、仕事に何の迷いもなく全力で打ち込めている方が羨ましくもあり、少しでも自分の思考を改めようともがいている最中です。そして、いつかは障害を気にせず、ありのままの自分で思い切りチャレンジできるようになりたいです。

フューチャーでは、受け身ではなく自ら能動的に行動することを大切にしています。配慮はしつつもさまざまな業務にチャレンジできるので、そのような環境を求めている方にはぴったりだと思います。障害者採用も積極的に行っているので、興味を持った方は是非検討してみてください。
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