女性の健康増進って? センシティブになりがちな生理、婦人科疾患のイベントを会社で開催して
仕事をするうえで、心身の健康がとても大事です。
つらいことが度々あると、つらさが日常になってしまうことがあります。ですが、自分と向き合い文明の力を借りることでつらさは解消できるかもしれません。私が実際の経験から感じたメッセージを伝えるために、社内イベントを企画・実施できたことについて記載していきます。
こんにちは、2022年度に従業員代表を務めました永森彩奈(ながもりあやな)です。
従業員代表は1年の任期で、労使協定の締結を見届けたり、社内の健康増進イベントを企画したりなどの活動を行っています。今回、企画したイベントのテーマは「女性の健康」です。「健康講話」と銘打って、生理、婦人科系の疾患、周囲ができる対策などを保健師の方に話していただきました。
私は過去に女性ならではの体調変化と向き合ったことで、人生が変わったといってもいいくらいの体験がありました。だからこそ、女性の健康にまつわる情報を得ることで同じように悩んでいる方が救われる可能性があると思い、イベントを企画しました。フューチャーの「思いを実現するチャンスがある環境」をお伝えするとともに、私と同じように女性の健康に関して悩んでいる方の助けになる記事にできたら嬉しいと思っています。
健康について振り返ったら「つらい人生」だった
今回イベント開催に至ったのは、たまたま社内で従業員代表に選出いただいたことがきっかけでした。健康増進イベントを開催しようと、ネタ探しがてら「健康」という目線で自分の半生を振り返ったところ……、ひとことでまとめると「生きづらそう」な人生を送ってきたと気づきました。
それは女性特有のつらさである、生理にまつわる体調変化です。生理の重い・軽いを基準づけるのは難しいですが、私自身が感じる生理による心身への負担は大きいものでした。生理期間の数日前から体調が悪く、生理中はずっとおなかの痛みと戦う日々。つまり月の3分の1くらいはパフォーマンスが著しく落ちた状態でした。
毎月のモヤモヤを抱えたまま、高校、大学を卒業し、いつの間にかフューチャーに入社をむかえた2019年。私は、入社して初めての健康診断でいきなり婦人科系疾患に引っかかりました。
フューチャーは「健康戦略経営」を掲げ、社員の健康が経営に直結すると考えています。そのため、健康診断の項目も一般的な内容より非常に充実していて、女性は毎年マンモグラフィをはじめとする婦人科系の項目を20代から受けることができます。もし検査を受けていなかったら、徐々に悪化し、気づいたときには大きな症状が出ていたかもしれないと思うと、それだけでも私はフューチャーに入ってよかったと思いました。
自分だけではない。婦人科系疾患はすぐそばに
入社1年目。健康診断で引っかかって悶々としているところに、社長の神宮さんと約10人の社員との食事会がありました。その年は神宮さんが全女性社員と話す、という企画があり、自分の番がめぐってきたのです。当たり前ですが、その食事会は全員女性。いろいろな話をしていくうちに、その日の参加者のうち8割が何らかの婦人科系の疾患の経験があったことがわかりました。
その日に集まったメンバーが、たまたまそうだった可能性はもちろんありますが、「はたらく女性と婦人科の病気のかかりやすさには関係がありそう」と感じ、それ以降はアンテナを立てて過ごすようになりました。生理痛の緩和や月経前症候群(PMS)の症状の緩和に役立つといわれる「低用量ピル」を知ったのも、その流れです。
なんとなくの感覚レベルではありましたが、「女性って自然にまかせず何かケアしたほうが良さそう」「しかもそれはあまり知られていなさそう」という傾向を感じました。
女性の健康をテーマにイベントを開催
こうして時は流れ、2022年、私は従業員代表を務めることになりました。ここ数年で女性従業員が選出されることが無かったこともあり、それなら女性に関するイベントにしようと企画し、実行しました。
企画の目的は、女性の健康に関して「本人ができること」「周囲がフォローできる/すべきこと」について考える機会を設けることとしました。よりよいコンディションづくりのために「職場メンバーやパートナーによる配慮」も考えられるように、当事者の女性だけではなく男性も参加できるようなイベントに仕立てました。
また、大切にしたことは、医学的根拠に基づいた情報発信にすることです。生理や女性特有の病気などはセンシティブな話題でもあるため、会社の保健師の方の全面協力の上でイベントの内容を決めていきました。
イベントにはグループ会社の社員も含めた100名以上の方が参加しました。従業員代表で過去実施したイベントの参加者は平均で30人〜50人程度だったことを考えると、かなり注目度が高かったといえます。
イベントのアンケートをみても、普段あまり話題にしにくい分野の情報を必要な方に届けることができたと感じています。
一方で、イベント実施に至るまでの準備や情報の伝え方・正確性、聞き手への配慮など、センシティブな話題を取り上げることの難しさも感じました。自分ひとりだったら準備が大変すぎて実施できずに終わるか、実施できたとしても聞き手に配慮しきれずに炎上していたかの二者択一だったのではないかと思います。多くの方の助けを借りたことで、自分で想定していたよりも3倍くらいスムーズに運営でき、自分以外のリソースも含めてチームで推進することの強力さを身に染みて感じました。
思いを形にするチャンスがあるフューチャーの環境
私自身は「低用量ピル」を活用して生理における悩みがぐっと解消に近づき、仕事やプライベートの充実につながりました。そのため、悩んでいる方に情報を届ける機会をつくりたいと思い、イベントを企画しました。
一方で、健康に関する話題は人によって悩みの種類や程度が大きく異なります。特に女性特有の悩みは、個別性が高く、背景や今後の希望によってもアドバイスが変わってきます。また、扱うテーマが生理から更年期症状、不妊などセンシティブな内容で、誰かへのアドバイスが他の誰かにとっては傷つく内容になってしまう可能性がありました。そういった背景もあり、正しい知識を仕入れることや、そのきっかけとなる日ごろの情報交換が難しいと感じています。
だからこそ会社の協力のもと保健士さんにも協力してもらい、自分の問題意識のあった女性の健康に関して正しい情報を発信できたことは意味があったと思います。 また結果として、保健師面談の利用率UPにもつながり、社員の健康向上にもつながりうる取り組みを従業員代表して運営できたと考えています。
私はフューチャーの社員ですので、ポジショントークになってしまうところもありますが、業務内外を問わず「そうか、これがチームワークなんだ!」と実感できることが多いです。私はどちらかというと1人で考え込んでしまうタイプで、今回のイベントもスライド全部を自分で作ろうとすら思っていましたが、もしその道を選んでいたらおそらくイベントは永遠に完成しなかったことでしょう。今回のイベントを通して「みんなでつくる」「チームで動く」という成功体験を得ることができました。
保健師、衛生委員会や従業員代表メンバーというチームの協力があって、さまざまな方面に配慮したイベント開催ができました。今後どのような活動を行っていけば健康に関して、正しい知識がさらに広がり、よりよく働ける場を作れるのか?今後もみんなで考えていければと思います。