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IT未経験の私が新人研修で身につけた最大のスキル

2017年9月入社の柏木祥子です。今回は新人研修で苦労した現場社員の声、ということで、研修を受けてから3年が経った今、改めて思うことを書きます。今ちょうど新人研修中で悩みや不安を抱えている方に少しでも参考になれば嬉しいです。

フューチャーに入社した当時の私は、文系学部出身、IT未経験ながら「フューチャーのコンサルタントとしてバリバリやってくぞ」という気持ちでいました。ITについて勉強するのも研修のうちくらいだろう、現場に入って上流工程を担当すれば技術との関わりもなくなるのでは、とひどい勘違いをしていたのも事実です。この私の考えは、研修を進める中でぶった斬られることになります。

フューチャーの新人研修

フューチャーでは、ITコンサルタントとしてプロジェクト(現場)に配属される前に、新人研修の期間が設けられています。研修の中で新人社員は、ITやコンサルティングに関する基礎知識を学び、課題に取り組みます。当時は、課題の成績や順位は都度公開されていました。ITに関するカリキュラムでは数回にわたり理解度テストや個人ワーク、グループワークが実施されましたが、いずれも「なぜそうなるのか」を言語化できるまでに理解していないと合格することが難しいものでした。さらに研修を受ける中で「システムのつくり方を理解していないと、お客さんが本当に納得する提案はできない」ということを叩き込まれます。ITを理解し扱えるようになることは、フューチャーで働くために必要不可欠なものだったのです。

その場にいる自分だけが分かっていない、という辛さ

本当にやっていけるのか不安を感じながらの研修前半でしたが「このままだと本当にまずい」と思ったのは、2回目のIT理解度テストが実施され、私の悲惨な成績が研修を受ける同期全体に公開されたときです。確か、JavaとSQLの実装問題、また過去の基本情報技術者試験からの問題だったと思います。

初回では私と同様の点数だった同期たちが大きく飛躍する中、私の成績は上がるどころか低下していました。「同じように研修を受けているはずなのに、なぜだろう」。

この時から、「わからないこと」、「失敗すること」に対する恐れが大きくなっていきました。講義を聞いていても「ここにいて本当に理解できていないのは自分だけではないだろうか」という絶望感で、内容があまり頭に入ってきません。自分がどこから分かっていないのかも曖昧すぎて、同期に質問することもためらうようになっていました。また、議事録や週報など、IT以外の課題に対しても、これ以上ボロを出してはいけないという焦りから、何をするにも「ミスが許されないんだ」と一度躊躇するようになりました。順位が発表されるたびに自分自身の評価が突きつけられるような気になり、一喜一憂するうちに研修も折り返し地点を迎えていました。

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IT理解度テストにむけて勉強した教材。何度も泣かされました。

同期からの言葉が胸に刺さる

研修期間も半ばを過ぎたころ、同期全体での飲み会が開催されました。初めての全体会ということで(当時はみんな目の前の課題に忙殺されて飲み会のことなど考えられなかったのです)大いに盛り上がりましたが、これが私の研修に対するマインドを大きく変える出来事にもなりました。

滅多に喋らない同期とたまたま席が近くなり、研修について話していた時です。飲み会直前にあった私のプレゼンテーションをみて、「『あれ、こんな人だったっけ?』と思った。入社時の印象と全然違った」と言われたのです。

(なるほど、わかったふりをして必死にしがみついている姿がバレていたのか・・・)

「研修もついていけないようじゃ、この会社向いてないよ」。自分が一番感じていることを彼もまた口にするだろうと身構えましたが、そうではありませんでした。
「自信がないように見えたけどすごくもったいないよ」
彼はこう言い、研修で何かあったのかと尋ねてきました。思わず私がIT課題の点数が向上しないことや、自分の行動が正しいか分からない焦りからの不安があるとぶつけると彼は、

「『失敗=学びが増える機会』と思えば良い。物事に対する捉え方を変えれば、いくらでも活かすことができる。学びにして、次のアウトプットで示せば問題なし!」

と明るく言ってくれたのです。これまで自分になかった発想でしたが「それもそうだな」とスッと腹落ちするくらいその言葉は力強いものでした。

立ち止まって考える

同期からの言葉を受け取ってから、改めて、なぜ自分がこれほど苦しい思いをしているのかを考えてみました。一度立ち止まり気づいたのは、私自身が自分の失敗を「評価の材料」としか考えていなかった、ということです。『失敗=すべきでないもの』という考え方は、成績や順位が公開される研修の中で、自分の存在を確立したいがために作り上げてしまった思い込みでした。
『自分の思考のクセを変えることがこの状況を打破するための鍵である』

そう思えるようになってから、私は研修においても失敗することに前向きになり、たとえ先輩に指摘されても割り切り、その分吸収すれば良い!と気持ちを切り替えられるようになりました。

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研修中の講義ノート

研修を経たその後

研修後半は、これまでの自分の考え方を変えようと奮闘している間に卒業を迎えました。ようやく成長を実感できたのは、実際にプロジェクトに配属されてからです。研修時代とは全く違う技術や、初めて耳にするクライアントの業務内容に混乱続きの日々でしたが、研修時代に培った「失敗は学び!」の精神で「わからないことはすぐ聞く。二度は聞かない」というスタンスで食らいついていくようにしました。

半年間のOJT期間終了時に行われた評価プレゼンの際、OJTトレーナーとしてお世話になった先輩から、「指摘したことや自ら立てた目標に対し、自分で考えて行動し結果をコミットできる」と評価をいただきました。その時初めて、「失敗は恐れではなく、学びのチャンスであると捉えられるようになったのだ」と、本当に実感しました。そしてそのマインドは、4年目を迎えた今でも仕事を進めるうえでの私のベースとなっています。入社時は何が分かっていないのかも分からなかったプログラミングは、たくさんの失敗から得た知識が繋がっていくにつれて面白く感じるようになりました。一度「これは分かったぞ」という感覚をつかむことができてからは、経験のない業務に携わることになっても「その状態に持っていくにはどうしたら良いか」という目線で考えるようになり、質問をためらったり、先輩のレビューで自分の仮説が打ち砕かれることに落ち込んだりしなくなりました。それまでの自分からバージョンアップする瞬間だと思えるからです。

今の私は、システムの一機能をゼロから自分の手でつくり上げたり、つくった機能に関してお客様にフィードバックをいただいたりと、新人研修を受けていた当時は想像もしていなかったようなことができるようになりました。まだまだ考慮が至らない場面は多く、道のりの遠さに不安を感じることもありますが、「向き合い続ければモヤモヤがクリアになる楽しさがあること」、そして「向き合い続けるための乗り越え方」を私は知っていると思えるだけで、その不安も和らぐ気がします。

おわりに

フューチャーで数年過ごして感じますが、いつになっても分からないことや失敗はたくさんあって、壁にぶち当たることも多いです。ただ改めて振り返ると、そのたびに「自分がどうしたいか、どうなりたいか、そのために起こった出来事をどう捉え対処していくか」を、一度立ち止まって考え直すことで気持ちを切り替え、乗り越えられてきたように思います。この辛い状況の乗り越え方こそ、私が新人研修を通して培った最大のスキルです。自分なりの「乗り越え方」を身につけ、乗り越えられることを自分が知ってさえいれば、何があっても大丈夫です。もし、仕事の悩みが絶えなくて疲れちゃったな、という方がいたら、この私の経験が少しでも乗り越えるヒントになれば幸いです。


柏木さん


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